今回はフィレンツェならではの建物のお話です。
フィレンツェの街を歩いていると、壁に掻き絵が描かれた建物をよく目にします。
これらの装飾の方法をGraffito Fiorentino というそうで、
まず、黒っぽい漆喰を塗り、その上に白い漆喰を塗ります。そして、表面をこすり取ったり、掻いたりして模様を浮かび上がらせます。
Graffito Fiorentinoの呼び名は動詞の"graffiare " ひっかく; 傷をつけるからきているらしいです。
上の写真の建物は、パラッツォ・ディ・ビアンカ・カッペッロです。
フランチェスコ一世・デ・メディチが愛人であったビアンカ・カッペッロの為に、建築家でもあるベルナルド・ブォンタレンティに建てらせた邸宅です。
フランチェスコ一世はジョバンナという妻がいたにも拘わらず、ビアンカを自分の傍においておきたかった為に、フランチェスコ一世の住まいであったピッティ宮殿の近くに、この邸宅を建てらせたのです。
ファサードはすべて単色の掻き絵で覆われていますが、扉口の上に描かれている紋章などには色が着いてあります。
掻き絵が描かれた建物のイメージは白と黒なのですが、この建物は所々に着色がされてあり、興味深い建物だと思います。
Graffito Fiorentinoに興味を持ち調べていたのに、そのうちに建物の歴史についても興味を持つようになったな~と思う今日この頃です。